「病院ですべり症と言われたけれど、変性すべり症と分離すべり症は何が違うの?」
「同じ腰椎すべり症なのに、原因や症状は同じ?」
このような疑問を持つ方は少なくありません。
腰椎すべり症にはいくつか種類がありますが、代表的なのが、
腰椎変性すべり症
腰椎分離すべり症
です。
どちらも腰椎がずれた状態ですが、ずれが生じる背景や起こりやすい年代、症状の出方などが異なります。
日本整形外科学会でも、変性すべり症と分離すべり症は別の病態として説明されています。(joa.or.jp)
変性すべり症と分離すべり症の違いを簡単に比較
| 変性すべり症 | 分離すべり症 | |
|---|---|---|
| 主な背景 | 加齢などに伴う腰椎の変性 | 腰椎分離症を背景にすべりが生じる |
| 起こりやすい年代 | 中高年 | 分離症は成長期に生じることが多い |
| 主な症状 | 足の痛み・しびれ、間欠性跛行、腰痛など | 腰痛、下肢痛・しびれなど |
| 神経への影響 | 脊柱管が狭くなる場合がある | すべりや変性によって神経症状が出る場合がある |
| 検査 | X線、MRIなど | X線、CT、MRIなど |
| 治療 | 保存療法、必要に応じ手術 | 保存療法、必要に応じ手術 |
大きく言えば、
変性すべり症=加齢などに伴う腰椎の変化
分離すべり症=腰椎分離症を背景にしたすべり
という違いがあります。
腰椎変性すべり症とは?
腰椎変性すべり症は、加齢などに伴って椎間板や椎間関節などが変化し、腰椎が前方へずれる状態です。
日本整形外科学会によると、腰椎変性すべり症では、腰椎がずれることで脊柱管が狭くなり、馬尾神経や神経根が圧迫されることがあります。(joa.or.jp)
そのため、
- お尻の痛み
- 太ももの痛み
- 足のしびれ
- 長く歩き続けにくい
- 休むと再び歩ける
といった症状が現れる場合があります。
また、腰痛がほとんどない方もいます。
腰椎分離すべり症とは?
腰椎分離すべり症は、腰椎の後方部分に「分離」があり、その影響ですべりが生じた状態です。
腰椎分離症は、特に成長期のスポーツ活動などで腰を反らす・ひねる動作を繰り返すことで生じる疲労骨折が関係すると考えられています。(joa.or.jp)
分離症があっても必ずすべり症になるわけではありません。
一方で、分離部周辺の変化などによって腰椎が前方へずれると、分離すべり症と呼ばれます。
症状としては、
- 腰痛
- お尻の痛み
- 太ももの痛み
- 下肢の痛み・しびれ
などがみられる場合があります。(joa.or.jp)
変性すべり症はなぜ起こる?
腰椎変性すべり症では、加齢などによる椎間板・椎間関節などの変性が関係します。
背骨は、
椎体
椎間板
椎間関節
靭帯
などが組み合わさって支えています。
これらに変性が生じることで腰椎の安定性が変化し、椎体が前方へずれる場合があります。
ただし、
「姿勢が悪いからすべり症になった」
と一つの原因だけで説明することはできません。
分離すべり症はなぜ起こる?
分離すべり症の背景にある腰椎分離症は、成長期にスポーツなどで腰へ繰り返し負担がかかることで生じる場合があります。
特に、
- 腰を反らす
- 腰をひねる
- ジャンプする
といった動作を繰り返すスポーツでは、腰椎後方に負担が集中することがあります。(joa.or.jp)
ただし、分離症がある方全員に強い症状が出るわけではありません。
どちらの方が腰痛が強い?
症状には個人差があるため、一概には言えません。
腰椎変性すべり症では、名前に「腰椎」と付いていても、腰痛より足の痛み・しびれや歩行障害が目立つ方もいます。
日本整形外科学会でも、変性すべり症では腰痛が比較的少なく、腰痛がまったくない患者さんもいると説明しています。(joa.or.jp)
一方、分離症・分離すべり症では腰痛が主症状となる場合がありますが、下肢症状が出るケースもあります。
そのため、
「腰が痛い=分離すべり症」
と症状だけで判断することはできません。
足のしびれが出やすいのはどちら?
どちらでも足のしびれが出る可能性があります。
特に変性すべり症では、腰椎のずれによって脊柱管が狭くなり、馬尾神経や神経根が圧迫されることで下肢症状が出る場合があります。(joa.or.jp)
一方、分離すべり症でも神経への影響が生じれば、下肢痛やしびれが現れることがあります。
しびれの場所だけで、変性型か分離型かを判断することはできません。
歩くと足がしびれる場合は変性すべり症?
変性すべり症では、立ったり歩いたりしているとお尻や太ももに痛みが出て、休むと再び歩ける間欠性跛行がみられることがあります。(joa.or.jp)
これは、変性すべり症によって脊柱管が狭くなっている場合に起こることがあります。
ただし、間欠性跛行は腰部脊柱管狭窄症などでもみられるため、
「歩くとしびれる=変性すべり症」
とは言い切れません。
若い人なら分離すべり症?
分離症は成長期に発生することが多いですが、分離がそのまま残り、成人になってから腰痛などの症状が出ることもあります。
そのため、
「若い=分離すべり症」
「高齢=変性すべり症」
と年齢だけで判断することはできません。
診断にはX線などの画像検査が必要です。
レントゲンでは何が分かる?
腰椎すべり症では、X線(レントゲン)検査で腰椎のずれを確認します。
立った状態や腰を前後に動かした状態で撮影することで、ずれや動きが確認しやすくなる場合があります。(joa.or.jp)
分離症については、X線だけで分かりにくい場合にCTやMRIなどが使用されることがあります。
また、神経への圧迫状態などを確認するためにはMRIが有用です。
治療方法は違う?
どちらも症状に応じて、まず保存的な治療が検討される場合があります。
変性すべり症
日本整形外科学会では、
- 薬物療法
- 腰椎牽引
- 温熱療法
- 硬膜外注射
などが行われると説明しています。
これらでも症状が改善せず、歩行や立位が大きく制限されている場合には手術が検討されます。(joa.or.jp)
分離すべり症
分離症では症状や年齢などに応じて保存療法が行われます。
下肢痛が強い、日常生活や仕事に支障が大きい場合には手術が検討されることもあります。(joa.or.jp)
すべりの程度が大きいほど症状も重い?
必ずしも、画像上のずれの大きさだけで症状の強さが決まるわけではありません。
画像検査では構造上の変化を確認できますが、
- 痛みの強さ
- しびれ
- 筋力
- 歩行能力
- 日常生活への影響
なども合わせて評価する必要があります。
そのため、画像を見て、
「こんなにずれているからもうダメだ」
と必要以上に不安になる必要はありません。
一方で神経症状が進んでいる場合は、画像所見と合わせて適切な治療判断が必要です。
変性すべり症と脊柱管狭窄症の関係
変性すべり症では、腰椎がずれることで神経の通り道である脊柱管が狭くなる場合があります。
そのため、
変性すべり症+腰部脊柱管狭窄症
と両方を指摘されるケースがあります。(joa.or.jp)
詳しくは、
変性すべり症・分離すべり症でやってはいけないことは?
全員共通の「絶対禁止動作」があるわけではありません。
ただし、痛みやしびれが増える動きを無理に続けることは避けましょう。
特に分離症では、腰を強く反らしたりひねったりすることで症状が強くなる場合があります。(joa.or.jp)
詳しくは、
腰椎すべり症でやってはいけないことは?
の記事へ内部リンクしてください。
このような症状は医療機関を優先
次のような症状がある場合は、整体やセルフケアだけで様子をみず、早めに整形外科などへ相談してください。
- 足に急に力が入りにくくなった
- 麻痺やしびれが急速に悪化している
- 歩行が急に難しくなった
- 排尿・排便に異常がある
- 股間・会陰部周辺の感覚がおかしい
- 安静にしていても強い痛みが続く
- 症状が急速に悪化している
北京気功整体院では診断名だけでなく身体全体を確認します
変性すべり症・分離すべり症のどちらであっても、症状の出方や日常生活で困っていることは一人ひとり異なります。
北京気功整体院では、医療機関での診断や治療を尊重しながら、整体の立場から、
腰・骨盤・股関節・膝・足元・姿勢・歩行状態
などを確認します。
そのうえで身体への負担に関係する要素を確認し、一人ひとりの状態に合わせて無理のない範囲で施術やセルフケアについてお伝えしています。
よくある質問
Q. 変性すべり症と分離すべり症は同じ病気ですか?
どちらも腰椎がずれる「すべり症」ですが、ずれが生じる背景が異なります。変性すべり症は加齢などに伴う腰椎の変性が関係し、分離すべり症は腰椎分離症を背景に生じます。
Q. 変性すべり症は女性に多いですか?
腰椎変性すべり症は中高年にみられ、女性に多いとされます。ただし、年齢や性別だけで診断することはできません。
Q. 分離症があると必ず分離すべり症になりますか?
必ずではありません。分離症があっても強い症状がなく生活している方もいます。(joa.or.jp)
Q. 変性すべり症では腰痛がなくても大丈夫ですか?
腰痛がない方もいます。変性すべり症では、腰痛よりもお尻や足の症状、歩行時の症状が目立つ場合があります。(joa.or.jp)
Q. どちらのすべり症でも手術が必要になりますか?
必ずではありません。症状や神経への影響、日常生活への支障などを踏まえて治療方針が決まります。保存療法で十分に生活できる方もいます。
まとめ
腰椎すべり症にはいくつか種類がありますが、代表的なのが、
腰椎変性すべり症
→ 加齢などに伴う腰椎の変性が関係
腰椎分離すべり症
→ 腰椎分離症を背景にすべりが生じる
という2つです。
同じ「すべり症」でも、原因や起こりやすい年代、症状の傾向は異なります。
一方で、どちらも腰痛やお尻・足の痛み、しびれなどが現れる可能性があるため、症状だけで種類を自己判断することはできません。
八尾市で腰椎すべり症による腰痛・足のしびれ・歩行のお悩みがある方は、医療機関での診断を大切にしながら、北京気功整体院でも身体の状態についてご相談いただけます。
